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「ふざけんなぁ!!夏海ぃ!!」
私の名前を呼ぶ父の叫びが静まりかえった夜の住宅街に響く。
その声は私を追い詰める。
父は“絶対”
決して逆らってはいけない。
小さい頃からの考えはもう変えることなんて不可能で…。
逃げなきゃ
来る
捕まっちゃう
私は住み慣れたボロアパートに背を向けて必死に走った。
もうすぐ春。
でも、まだまだ夜は冷え込む。
裸足の私にはアスファルトがとても冷たい。
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