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はじめて…
はじめての私の味方っ!
私はギュッとシンさんの服の裾を掴んで、和樹を睨んだ。
シンさんがいれば和樹なんて怖くない!!
…なんて思った私は馬鹿だった。
「夏海」
ソファーに座りながら私の名前を呼んだ和樹の声に鳥肌がたった。
「な、なに…?」
「ちょっと、こっち来いや」
そう、ポンポンと自分の隣を叩く。
……は?
嫌だし。
誰がそんなトコ行くもんか!
ブンブンと頭を横に振ると…
「夏海ちゃん、行ってといで?」
味方だと思ってたシンさんの優しい声が降ってきた。
「……え?」
見上げると笑顔のシンさんがポンッと私の背中を押す。
驚き過ぎて、全身の力が抜けきっていた私はシンさんの裾を掴んでいた手をいとも簡単に離し、
フラフラっと進んで……
転けた。
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