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ステーン!なんて可愛い効果音の転け方じゃない。
バターン!とか、ズテーン!とか……
かなり本格的な転け方。
恥ずかしくて暫く倒れたまま動けないでいると、
「はぁ…」
と和樹のため息が聞こえた。
それから、ソファーから立ち上がるような気配がして……
「大丈夫か?」
呆れたような、
でも少し優しい和樹の声に驚いて顔を上げた。
ぶっきらぼうに差し出された大きい手。
その手が何をしたいの分からず見つめていると、
「おら、手ぇ貸せや」
なんて、和樹に脅迫気味に言われて慌てて手を差し出さす。
グッと掴まれた手は力強くて不覚にもドキンとした。
それを誤魔化すように
「顔、痛い」
と、軽く顔を手で隠す私に
「そりゃ、あんだけ見事に顔からダイブすりゃ痛ぇだろうな」
なんて嫌みを言う変態和樹。
でも、手は私が立ち上がっても離されることなく、
そのまま引っ張られて和樹の隣へと座らされた。
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