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「ごちそうさま」
そう言ってから、一息置いて
「……ありがとう」
と笑った。
お礼は言うべきだと思うから。
ちゃんと3人の顔を見て。
でも、すぐに恥ずかしくなって赤くなっている顔を隠す為に下を向いた。
「どういたしまして」
「気にすんな」
シンさんと小山圭がそういってくれて、和樹は私の頭をゆっくりと撫でる。
その声も手つきも優しくて、少し胸がキュンとなった。
「豚になっても知らねぇぞ」
バカにしたように言う和樹とすぐにケンカが始まったけど…
それが楽しいとも思い始めている自分がいた。
彼らは暴走族で、恐れるべき人種なのかもしれない。
でも、そんなことを思わせないくらい彼らは優しい瞳をしていた。
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