集会

18/22
前へ
/501ページ
次へ
「ま、だ……まだいいじゃん!」 急に声を上げた私を皆が不思議そうな顔でみた。 でも、そんなこと気にしないくらい私は必死だった。 「ね、まだ此処にいよ?私、皆のこと知りたいし!……そう!!だから、まだいいじゃん!!お酒飲もうよ!」 皆が残れば私も此処にいていいかも。 そんな期待で私は駄々をこねた。 思い出すのは父。 そして、迫ってくる水。 家に帰りたくない。 そして…… 死ぬのが怖い。 「お願いだから……、残ってよ……」 そう言って、近くのお兄様を掴む手は震える。 溜まり場が静まり、私の悲痛な声だけが響いた。
/501ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48172人が本棚に入れています
本棚に追加