居場所

2/14
前へ
/501ページ
次へ
「夏海ちゃんの部屋はここだからね」 シンさんに連れてこられたのは小さな部屋。 通称――女部屋。 そこにあるのはタンス1つと、この部屋には不釣り合いな大きいベッドだけ。 「ありがとうございます」 ペコリと頭を下げる私を、シンさんは見つめて…… 「夏海ちゃん。約束は覚えているね?」 真面目な声でそう言った。 何度も何度も……飽きるくらい聞かされたこと。 少しうんざりしながらも、私は「はい」と頷いた。 ことの発端は20分ほど前。 和樹の一言から始まった……
/501ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48172人が本棚に入れています
本棚に追加