居場所

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「ごめん、夏海ちゃん」 鉄の扉が閉まる音を背中で感じ、歩き始めようとした私は…… 急にシンさんに頭を下げられた。 「…え?や…顔上げてください!!」 困惑する私に更に深く頭を下げて「ごめん」と言う。 そんなに謝られても、私には何が何だか分からないし…… それどころか 「なんで、シンさんはそんなに反対するんですか?」 話の最初っから分かってないんだよね…… 首を傾げる私を「へっ?」と見たあと、シンさんは 「そっか、そうだよな」 と呟いてから、何か考えて 「夏海ちゃんには言わない」 と微笑んだ。 「……え?」 てっきり答えてくれると思ってたのに。  
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