居場所

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「…なんで?」 「なんでだろうね~?」 「ねぇ、なんで?」 「ん~……あははっ」 笑って誤魔化そうとしているシンさんは教える気は無いらしい。 しばらく粘ったものの、分かったのは“シンさんは頑固”ということだけだった。 膨れっ面の私は 「夏海ちゃん。絶対に守って欲しい約束があるんだ」 急にそう言われて、シンさんの顔を見た。 それを確認してシンさんは指を一本たてた。 「1つ、鍵は絶対に締める。ノックされても、相手が誰でも絶対に開いちゃだめ」 それからもう一本指を立てる 「2つ、夜10時以降、一人で部屋からでちゃだめ」 「……トイレは?」 「トイレは……。我慢、かな。朝も……6時前は危険かも」 「危険!?」 「あ、ううん。なんでもない。兎に角、夜10時から朝の6時までは大人しく部屋に居てね」  
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