始まりは純白の再開

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目が覚めると白い壁があった。見たことない壁。いや、何度か見たことがあるかと思い直す。 意識がゆっくりと覚醒していくのを感じる。自分の両手を見下ろして手を何度か握ったり開いたりしてみる。 僕の手を動かそうとする意思にすぐに答えて手の指が動く。 そこで自分がベットに寝ていることに気が付く。 首を動かして辺りを見回す。 見慣れないけれど懐かしい景色がそこには広がっていた。 「病院……?」 自分のいる場所を確認するように口に出す。 少し大きめの部屋にベットがいくつか並んでいる。ベットの周りには仕切りをできるようにレール付きのカーテンが取り付けられていた。 病院で入院するための病棟だ。 前にも入院したことがあるので覚えている。 「僕はなんで病院にいるんだっけ」 単純に思いついた疑問が口からこぼれた。
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