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「………夏紀ちゃん……白夜……いじめちゃ……駄目」
あぁ~楓さん、貴女はなんてお優しいんだぁぁ、今なら天使……いや女神と言ってもいい
「何言ってんのよ!いい、楓…男なんてね自分の欲を満たす為だったらなんでもする生き物なの、楓は騙されてるのよ」
うわっ、酷い言われようだなぁ~おい……夏紀って言ったけ?どんだけ男嫌いなんだよ、ぶっちゃけ周りにいる男子どん引きしてるぞ
「さっ、こんなもやし野郎ほっといて一緒帰ろう?」
サッ
あっ、もやしは確定なのね俺………死のうかな
バチンッ
「えっ……楓?」
俺が少し鬱になって教室の窓から自殺しようかな…と手摺りに足をかけたちょうどその時、後ろで何かが弾かれる音が聞こえた
正直に言います………遊んでて見てなかった~!!
「ちょ、ちょっと楓どうし「白夜を……悪く……言わないで!!」」
!!……かなりびっくりしたぁ~、だってあの物静かな楓が大声出したんだぜ?夏紀って奴も驚いてるところをみるとかなり珍しい事なんだな……
グイッ!
「お、おいっ、楓!?」
「………………………」
楓は数秒夏紀を睨んでいたがいきなり無言で俺に近づいて来て、有無を言わさず引っ張って教室を出た
その時ちらっとだけ見えた夏紀の腕に切り傷や火傷の痕があるのを見つけた
あぁ、成る程だからあんなに男嫌いなのか………よしっ!今回の喧嘩の原因は俺ぽいしサービスしてやんよ!
シュッ!
俺は教室を出るギリギリという所でぼぅ~と立ち尽くしている夏紀の鞄に一枚の名刺を投げ入れた
ふぅ~、後はあいつ次第だな……
~夏紀視点~
「……………………」
私はまだその場から動く事が出来ずにいた
何故ならついさっき起きた事を理解できなかったから……
さっき私は小学生の時からずっと友達……いや親友だった楓に一緒に帰ろうとさそわれた、此処までは小学生の頃から続くいつもと変わらない私の日常、でも今日は違った……
「……………お待たせ」
そうあの楓があろうことか私の知らない男に話し掛けたのだ
「ちょっと楓、誰よこのもやしみたいな奴は!二人で帰るんじゃなかったの!!」
つい私はそう叫んでいた
楓が話掛けた男がなんか落ち込んでいたが関係ない、私は男という生き物に興味がない……というか大嫌いだからだ
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