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「ん?あぁ、この眼ね……これは気にしないでくれ」
少年はそう言いながら悲しそうに片目に触れる
「あっ!いえ、き、気にしてません!!……逆にカッコイイですしゴニョゴニョ///」
「えっ?なんか言った?」
「い、いえ!何も言ってません///」
どうやら女性の呟きは少年に届かなかったらしい
「そっか、じゃぁ~俺はこいつを警察に連れていくから送って行けないけど大丈夫か?」
少年は特に気にしていないらしく直ぐに別の話題をふった
「だ、大丈夫です!此処からなら直ぐですから……」
「わかった、なら気をつけて帰れよ~」
女性の返事を聞くと少年はそそくさと先程の男を引きずり夜の闇へと消えようとしたその時
……
「あっ、あの!!待ってください!!」
「ん、なに?」
女性の少し大きめの声が少年を引き止めた
「えっと……あ、あなたは何者ですか?」
「ん~、何者って言われても只の高校生なんだけど……」
少年は頬を指でかきながら苦笑いをする
「そ、そんなの嘘です!!だって素手で包丁を止めるし、あんな振り回されてる包丁を悠然と避けるなんて普通無理です!!」
女性の今まで頭に貯まりに貯まった疑問が爆発した
「あ~、えっと、それは~…」
「どうなんですか!!」
にじり寄る女性それにつれ一歩ずつ後ろに下がる少年、さっきとまったくの正反対な状態である
「えっと…………あっ、そうだこの男を警察に引き渡すのをすっかり忘れてた~、それではまたいつかどこかで会いましょう(棒読み)」
それはまさに脱兎の如く素早い動きだった
いきなり話を切り上げた少年はズルズルとストーカー男を引きずったまま闇夜に消えて言ってしまった
「………………………」
その余りの行動の早さについていけなかった女性はその場に立ち尽くした
ヒラッ
すると立ち尽くしていた女性の前に一枚の名刺のような紙落ちた
「ん?なにこれ?名刺?」
女性はあの少年が落とした物かと思いその紙を拾いあげた
その紙の裏にはどこかを表した地図、その表にはこう書かれていた
『万事屋 月神 白夜』
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