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「はぁ…今日も疲れた」
なーんて、いきなりダレてる俺。簡単に自己紹介させてもらうけど、歳は今年で18になる高校3年生。
ちょっとした事故で家族を亡くしてこの間まで施設で暮らしてたんだけど、つい先日無理やり施設を出て生まれた街に帰って来て、さっき地元のこよみ学園に転入手続きをしてきたばかりだ。
取りあえず今日は手続きだけのつもりだったんだけど、俺が入るクラスの担任である一文字むつき先生が
「一緒に学園を見て回りませんか?」
って言ってくれたから素直に甘えることにした。
一文字先生といろんな話をしたはずなんだけど、先生が古典担当だってことくらいしか覚えてない。だって一文字先生は本当に美人で、一緒に歩いているだけでなんとなく幸せな気持ちになってきて、話なんか覚えていられなかった。
今日は平日だから当然授業があるわけで、俺たちが回っているときにもほとんどの教室で授業が行われていた。回っているうちに気付いたんだけど、ウチの学校って美人の先生が多いみたいだ。化学の二ノ舞きさらぎ先生、保険医の三世院やよい先生、美術の四天王うづき先生、体育の五箇条さつき先生……。この学校にしてよかったかも♪
そんことを考えているうちに学校案内は終わってしまった。もっと一文字先生と一緒にいたかったのに…。まぁ、明日になればまた逢えるからいっか。 帰り際に先生は
「あの……いえ、やっぱり何でもないです。それじゃあ、また明日。」
って言ってたけど何を言おうとしてたのかすこし気になるな。
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