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次は階段を降りて、雑貨屋ラスクへ…。
入ってみると何やら言い争っている様子。
ブラン「あ、あらっ、いらっしゃい!」
シモン「こ、これはどうもすみません、ここのところお客さんがさっぱりでしてねぇ…、その、あの、どうぞ、品ぞろえ悪いんですけど、ごゆっくり…。」
ブラン「ちょいと、あんた!」
と怒ったあと、
ブラン「まぁまぁ、すみませんねぇ~。品ぞろえが悪いってことはないんですよ。ちょっと少ないかもしれませんけどね…、あらやだ。」
モニク「私は新しくやって来ました。モニクと言います。」
ブラン「ああ、新しくきた人なんですね、そう~、じゃあ、これから大いそがしねぇ~!あたしはブラン、そっちのダンナはシモンだよ。あと、娘がいるんだけど、今回の船に乗りおくれたみたいで当分、帰ってこれなさそうだねぇ。」
ブランさんは困った顔をした。
シモン「だから、ぼくは女の子の一人旅はきけんだって反対したんですよ…。あ~、心配です。何ごともないといいんですが…。」
ブランさんはガッツポーズをすると、
ブラン「あの子のことだから心配いらないよっ!ところでせっかく来てくれたんだからこれでも持っておいきよ。何かの足しにはなるかもしれないよ♪」
と言いながら『島の自然の本』を渡してくれた。
次にモニクは雑貨屋ラスクの隣りにあるメレンゲクリニックに入った。
インヤ「おやまぁ、見かけないお人だね。…ウォンの言っていたひっこしてきた人かい?どこか悪いのかね?」
モニク「いえ、挨拶をしに来ました。私はモニクと言います。」
インヤ「そうかい、あいさつ回りかい。れいぎ正しい子だね。そういう子は好きだよ。最近の若い子ときたら、あいさつもまともに出来ない子が多いからね。私はインヤ、ここで手伝いをしているよ。ウォンって医者がいるが薬の材料を取りに行ってるんだよ。…薬の材料が足りなくてね、やれやれ、…やっぱり、大樹が……。」
モニク「大樹…?」
インヤ「ああ、いや、何でもないよ。あんたもハーブやポンタタの根を手に入れたらどんどん出荷しておくれ。」
モニク「はい、分かりました!」
インヤ「たのんだよ。」
モニクは頷くとメレンゲクリニックを出た。
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