可愛い顔した狼さん!

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私は 無我夢中で 駅前を走りぬける。 「・・・き・・・・木崎さんっ!!」 後ろから 私を呼ぶ声がした。 振り向くと 追い付かれると思い 私は必死で その声から逃げた。 だって・・・・ 声で分かった。 「木崎さん!!待ってっ!!」 その声は 橋本くんだって・・・。 どうして! どうして追いかけるの!! 「木崎さん!!・・・俺、言いたい事があるんだ!!」 ・・・え? 私はふいに スピードを弱めてしまった。 そして、後ろを見ると 橋本くんは 少し後ろで止まっていた。 私も その場で止まる。 「・・・何?橋本くんも 私と手合わせしたいの?」 私はわざとらしく 嫌な事を言う。 「違うよ・・・」 「じゃあ!!お店に戻れって言うの! あの悟って人と また喧嘩になっちゃうよ!?」 「違う!!」 ビクッ 橋本くんは 怒鳴ると、ゆっくり私に 近づいてきた。 そして目の前まで 来ると、私の目を見る。 橋本くんは そっと私の頬に触れた。 「木崎さん、泣かないで・・・」 「え・・・?」 そう言われると 頬を涙がつたう感覚が分かった。 橋本くんはそれを ふいてくれた。 「ありがとう・・・///」 私は男の子に こんな事をされたのが 初めてで、ドキドキした。 橋本くんは微笑んでいた。 「俺、木崎さんが 笑ってる方が 嬉しいな・・・」
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