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「いの、」 「棚にナイフあるやろ?それで切ろや。」 な、とベッドの脇にある棚からナイフを取り出す。 藤原は戸惑いながらもナイフを受けとる。 「一思いに、切って。」 愛してるなら。 「直ぐに逝けるように。」 涙を拭うことはもうしない。 お互いの首にナイフを押しあてて、 「井本、後悔せんか……?」 「…………せんよ。」 俺の言葉に意を決したように頷き、 俺達はナイフを 引いた。 .
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