第一章 卑怯な人事室部長

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「えぇ人だ…」  オレの器はちぃさいなぁ‥。  変わろ!オレ、今日から変わろ!!変われるよね、オレっ!!  うん!!  あっ。 「何してるのかしら?」  稲葉杏子‥‥‥さん。 「こんにちわ!杏子さん!」 「はぁ?いきなり何の冗談なの?」  はぁ言われたぞ、オレ。 「冗談?何の事ですか?」 「何でいきなり下の名で呼ぶのかしら?それにそのテンションは?」  やっぱり変かな?でも負けない! 「変ですよ!」  あっやっぱり変かぁ。 「何が遭ったか知らないけど、私にそのテンションで話し掛けるのは、止めてっ!」  凄い勢いで拒絶された‥‥。 「人が歩み寄ってるのに、その言い方は無いですよ?」 「私には、歩み寄りと言うより嫌がらせに近いわ」  嫌がらせかいっ!! もっと他に言い方あるだろがっ!! 「あら?田部人事部長」  いい人? 「やぁー稲葉君!」  んっ?あれ?何かオレの時と、テンションちがくない? 「お早うございます。田部人事部長。」  ヤベッ! 「お早うございま…」 「頑張って下さいねぇ、君には私も会長も期待してるから、あっこんな事言ったら、プレッシャーになるかな」 「いえ、そんな事はありません、お気遣い感謝します」 「……………………。」 「さすがだねぇ、じゃ僕は仕事に戻るよ」 「……………………。」 「はい、お疲れさまです、失礼します」 「‥‥‥あ、失礼します‥」 「……貴方、何したのかしら?」 ギクッ!! 「別に?何も?してないでございますですよ?」 「……………。」 「‥‥‥っ!」 「そう‥いいわ」 「お…おう!」 勘の良い女だな~。 「話しが変わるけど‥‥貴方、ご家族にはもうお話したのかしら?」 ビックリしたぁ~。 「オレは天涯孤独の身の上でしてね、田舎に育ての爺さん、婆さんが居る位だし‥その家もすぐに出たからな」 「会って話さなくても良いの?」 話す?何をだ?
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