第一章 卑怯な人事室部長

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「あのね、香山君」  来た!? 「はい」 「君ね」  早く言ってくれ! あぁ目に浮かぶ、給料UP、待遇UPの幸せが! 「……………うん!」  ? 何意気込んでるんだ?この人は? 「香山拓郎君。君に極秘人事がある、拒否してもいいんだけど…その場合退職になるけど? やる?」  何、それ‥‥? 「極秘‥人事…ですか?」 「うん。君の優秀かつ明晰な頭脳に期待して、上の方からのじきじきにご指名を受けたんだよ」  ? 意味が分からない。 「あの、すいませんが仕事の内容は‥」  異動、この俺が? 「うん。香山拓郎君、君ね。 南国に行きなさい」  南国?外国?パパイヤ?海?水着美女? 「詳しくは仕事受けてからだけど、どうする?」 「やります」  あぁ俺の馬鹿っ! 「うん。決断早いね~、今までで一番だよ」  あぁそうですか‥。 「まぁ行くしか無いしねぇ‥」  行くしか無いしねぇって分かってたら聞くなよ! 「ぇぇ、まぁ‥」  退職は無いだろ、普通。 「ん?何か言ったかなぁ?」 「いえ」  危ねぇ‥! 「それで仕事の内容は…」
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