第一章 卑怯な人事室部長

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 ここは営業部前の廊下、休憩室の方からにやつきながら両手に缶コーヒーを持って近づいて来る奴が居る。 「香山く~ん」  はぁ何処で聞き付けたんだ? そして何処が極秘人事なんだ? 「香山、聞いたぞ~お前に緊急で南の島に出張勤務らしいなぁー!それによっては出世のチャンスらしいなぁー!」  あっ?出張勤務ぅ? 「オイッ仲村!出張って…」 「まっ、一年間がんばって下さいよ。この借りはいずれ出世したら返してもらいますよ…!」  借り…って、缶コーヒー1つでかよ!? 「あっ待て!仲村っおーい、な~かむら~?」  お~い仲村さーん?なんだアイツは、疑問だけ残して行きやがった。      それからも上のお偉いさんが、 「おぉっ!香川君!!」  香山だ、香山。 「選ばれるなんて光栄じゃないか!」  あ~もう四人目だぞ?しつこいっ!?何なんだよ? 「はい。それはもう」  疲れた…。 「君になら色々教えてやってもいいぞ!頑張りたまえ、ファーッハッハッハッハッ‥」  あ~ハイハイ。 「ありがとうございます!」  って、もう居ねぇ!?  ‥‥忍者って居たんだ。 「忍者みたいですね、あの人」 「うわぁっ!」  居たんだ辺りで、コーヒーを吹きそうに成った。誰?何時からそこに居たんだっ!?
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