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良くみれば、見れる立ち姿だ。顔も明るくは無いが暗くも無い、整っていて目に力がある人間だ。意思表示が強く、自分の事をよく分かってる人間の雰囲気が出てる。そして話し方には、少し教養が見られる。
「あぁ、分かった質問を変えようか?君は誰で、俺に何の用なんだ?」
さて‥。
「そうね、まずは私は忍者でもくの一でも無いわ」
‥っ!?
エスパーだったか。
「稲葉杏子、私の名前よ」
稲葉‥‥知らないな。
「知らないなって顔ね? 私も部長に聞くまで、貴方の事なんて分からなかったもの」
あぁ、そうー。
どうやら彼女は、俺より先に人事室に呼ばれた人間の様だ。
「それで?」
「?」
「ご用件は?」
「いえ、只の好奇心よ」
俺の事、馬鹿にしに来たとしか思えねぇ。
「誤解しないでね、さっきのはちょっと興が削がれただけよ、聞いた話じゃ、貴方は優秀な人材らしいから、少し理想が大きかっただけよ」
ほぅほぅ、まだ俺の事馬鹿にするのか?
「俺、これでも実績作ってきたはず、だけど?」
あ~ムカツク~~。
「それが本当なら、あんな所で初対面の人間に、あんなことは言わないハズね?」
まだオレの知らない事が有るのか?
「只の人事異動だろう?仕事の内容は確かに特殊な物だけど‥」
「貴方…?もしかすると、何も知らないのかしら?」
有るのかぁー。
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