第一章 卑怯な人事室部長

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「何が有るんだ?この仕事に何か、特別な事がある様な物言いだね」 「えぇ…でも今この場所で話せる様なら話してるわよ」  はぁ‥俺は、変な仕事引き受けちゃったのね? 「貴…はこの…丈夫……の…しら…?」 「えっ?ああ‥‥大丈夫だけど」  あぁ、良く聞いて無かった‥‥。 「だから…、この後特に用事がなければ、会議室に来てちょうだい」  会議室…。 「世話しない1日だな」 「あら、お互い様よ。その言葉」  去りぎわに稲葉は少し疲れた顔を見せた。  しかしながら、あのタヌキ親父には、言いたい事が山ほどあるな。面倒な事に成らなければいいな‥、はぁ‥。  静まり返った社内に一人‥。 「こゎっ!」  人っこ一人居ねぇ?  どうなってる?  何で一人も居ないんだ? 「残業手当て出ないからかな」 いや。  違う、警備が緩すぎる…。  別に寒くも無いのに、暗く長い廊下に一人‥‥妙な緊張感が溢れてくる。監視役の彼らの、多分自分を録っているであろう起動音が、静まり返った社内に響く。 ジ~ッ…ジジッ 「って、ますます怖いよ!」  ヤメだ!変な事考える前に、早く会議室に待たせてる稲葉の元に向かおう。 ……ジジッジッ~…ジジッ………
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