序章

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 職員室巡りの時に気付いたのだが先生方の机には必ず脱臭剤が置いてある。  そりゃああるよな。ないと死ぬもん。先生方、毎日毎日ご苦労様です。 「あら? 君が長谷部君? えらいイケメンが来たものね。ウフフっ、彼女さんから奪っちゃおうかしら」  担任の高橋(たかはし)先生に挨拶中である。  二十代前半に見える。女性用のスーツを乱れなく綺麗に着こなしていた。  顔は幼さが残っているのだが、体は見事なものである。すごいオトナの体。出るところが出過ぎてしまっていた。  何はともあれ担任はかわいらしい方で良かった。笑顔も素敵です。  でもお世辞いらないです。先生、泣けてきそうです。先生、俺彼女いないです。  さて、ついにラスボス(?)の登場である。俺は校長室の前に到着した。  このドアの先に第二の異臭を放つハゲチャピンがいないことを祈りながらドアノブを回し、ドアを押した。  その瞬間。 「ひゃわっ?!」  と驚きに満ち溢れたかわいらしい声が聴こえた。と、同時にドアに何か当たった感触がする。  ……え? まさか今の……校長なわけないよな……。  ――ドアが完全に開いた先には今まで見た中で一、二番を争える級のかわいい娘が「イタタ……」と言い、お尻を擦りながら立っていた。image=306203874.jpg
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