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今日は3月15日
入試当日
周りにはうじゃうじゃと賢そうな人がたくさんいた
だが、緋澪の姿が見当たらない
「あいつ何やってんだ?もうすぐ始まるってのに」
日頃からマイペースな緋澪
時間ギリギリに来てもおかしくはないが
「にしても遅すぎだよな」
今、8時50分
テストが始まるのは9時から
大切な時は、いくら緋澪でもいつも10分前には来る
もしかして休みか??と一瞬そう考えたが、すぐその考えは頭の中から消した
緋澪は風邪引いても、熱があっても学校を休まなかったのだ
「あと5分・・・」
監督の先生ももう来ていて、順番に出席をとっている
「神畠祠斂」
「はい」
まだ緋澪は来ない
「渡辺慶介」
「はい」
男子の最後が呼ばれ次に緋澪の番がきた、と思ったそのとき廊下から
ドドドッ
何かが物凄い音をたてて近づいてきた
その音が止みドアがガラッと開いた
『遅れてすんませーん!!』
と、声が教室に響いた
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