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夏風に揺られ木々がざわめく…―
校庭からは生徒達の声が…
校舎、三階の一番右の教室は
日当たりの悪い化学室。
カチッ…
カチッ…
時計の針が規則的に
毎秒刻んでいくのとは反対に、
いっこうに動く気配のない私の手。
そんな私の隣では涼しい顔をして
本を読み進める人間がひとり…―
「あのー…先生…?」
「何ですか?」
「一問も解けません。」
「……楠さん、最高にアホですね。」
はいぃぃ!?
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