タンブリングデイズ

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窓辺に立ち、カーテンを開けた蔡エンの隙間から光が漏れて眩しい。 蔡エン「どこにいても、あの星は私を見守っていました。」 曹植は言葉に言い表せない感動を覚えていた。 いや、むしろ言葉にしてはいけないような。 曹植「あぁ、それで。」 だから父は自分と蔡エンを会わせたのだと悟った。 蔡エン「さぁ、続きはまた後ほど。また資料をまとめてお邪魔します。」 蔡エンは振り返り、作成した書類を丁寧にまとめだした。 蔡エン「じゃあ、さよなら。」 曹植「今度は旨い紅茶を用意しますね。」 蔡エンは丁寧にお辞儀をして出ていった。 今にも壊れそうな錆びたボロアパートの階段をゆっくり降りる蔡エンを見送った後、曹植は半開きのカーテンを開け放った。 曹植「明けの明星…か。」 久し振りに自慢のギターをアンプにつないでみた。 ディストーションの利いた大きな音が狭い部屋に反響する。 曹植「…うん、名曲。」 終わり
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