春眠暁を覚えず

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襲われたことが事実である以上、彼と自分は加害者と被害者だ。 それなら俺がこの男に怯えるのは当たり前だし、落ち着いてなんていられない。 そのはず、なんだけど。 「……………少し、だけ」 「そうかそうか」 男はニッと口角を釣り上げてみせた。 この男の気質のせいかもしれない。 それにしても、首がくすぐったい。 「あの…」 「うん?」 「首撫でるの、やめて下さい」
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