春眠暁を覚えず

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「あの!つかぬことをお聞きしますが!」 「何だ?勢いあるのに丁寧だな。好印象だぞ少年!」 勢いがあってもなくてもあんたは変人だけどな。 「少年じゃなくて、ゆずきです。柴 柚喜」 「じゃあゆずだな。質問どうぞ、ゆず」 ゆるやかに口角をあげて笑う男。 その笑いには恐ろしさも変態くささも感じない。 言うなれば王子様系だ。 (って、俺なに考えてんだ) 「えっとー…じゃあ、お名前は?」 「コウモリ」 (コウモリ…蝙蝠?いや、高森さんかな?) 「コウモリさん、ですね」 「そう、蝙蝠」 男、もといコウモリさんはうんうんと頷いて満足そうにしている。 俺は質問を続けることにした。
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