春眠暁を覚えず

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「近世では、ヒトは科学という形の解釈だけをもって世の中を理解しようとするからな、なかなか察してもらえないんだよなぁ」 「え?」 突然小難しいことを言われて俺は戸惑った。 でもそれは独り言に近いつぶやきだったらしく、ゆるく首を振って続けた。 形の良い眉を少しだけ歪めて囁くように唇が言葉を紡ぐ。 「信じてもらえないかもしれないけど…」 「はい」 「吸血鬼なの、俺」
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