五里霧中

2/13
前へ
/65ページ
次へ
最後にコウモリさんが現れてから一ヶ月近く経った。 その間に首の傷は癒えて、とっくにカサブタも剥がれている。 でも、俺の不安は膨らんでいくばかりだった。 最近じゃ大宮以外の友達さえ俺を心配してくる始末。 (しっかりしなくちゃな…… そうだ、もう向こうも俺のことなんて忘れてるかもしれない…!) 彼にとって俺は獲物のうちの1人なのではないだろうか。 それならば、俺にだけ固執されなければ死にはしないだろうし、もうこれっきりだということもあり得るだろう。 『お腹が空いたらゆずのとこ来るよ』 「……………だめだ」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

280人が本棚に入れています
本棚に追加