280人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ところで…俺からも1つ、聞いておきたいことが、あるんですが……」
「え?あぁ、何?」
栂池の表情がほんの少し、ほんの少しだけほの暗くなった気がした。
「人外のモノに、面識がありますよね……?」
「………え…?」
俺は酷く戸惑った。
栂池は何でそんなこと分かるのか。
コウモリさんについて何か知ってるのか。
(栂池も、もしかして…)
「……面識はあるのか、と…聞いてるんです。どうなんです…?」
問い詰める口調、影の射す眼に肩が跳ねて慌てて下を向く。
「あ……お、俺、あの…
噛まれた…」
やっとそれだけ絞り出すと、俺は栂池の顔をちらりと覗いた。
予想に反して、その顔は元の微笑気味な表情に戻っていた。
最初のコメントを投稿しよう!