五里霧中

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「……ところで…俺からも1つ、聞いておきたいことが、あるんですが……」 「え?あぁ、何?」 栂池の表情がほんの少し、ほんの少しだけほの暗くなった気がした。 「人外のモノに、面識がありますよね……?」 「………え…?」 俺は酷く戸惑った。 栂池は何でそんなこと分かるのか。 コウモリさんについて何か知ってるのか。 (栂池も、もしかして…) 「……面識はあるのか、と…聞いてるんです。どうなんです…?」 問い詰める口調、影の射す眼に肩が跳ねて慌てて下を向く。 「あ……お、俺、あの… 噛まれた…」 やっとそれだけ絞り出すと、俺は栂池の顔をちらりと覗いた。 予想に反して、その顔は元の微笑気味な表情に戻っていた。
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