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「……で、どうなんです?助けて欲しい、ですよね?」
「もちろん!………ん、何」
勢いづいて答えたら栂池の指が唇を押さえた。
「……違う、でしょう………
誰かに、何かをしてもらうなら……
『お願いします』、ですよね…?」
目を細めて笑う栂池の顔がすぐ側にあって、俺は軽く恐怖した。
整った顔だからこそ、嘲笑の冷たさが際立っているんだ。
「……ほら、こっちを向いて…」
指が唇から顎に移動して、顔を持ち上げられた。
「…『非力な僕を救って下さい、お願いします』
……さぁ、言いなさい」
「……………っ、………
…ひ……非力な僕を…救って、下さい…っ
……お願いします…!」
首が上がってるのと、屈辱的な気分とで、途切れ途切れになったけど、ちゃんと聞こえただろうか。
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