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つまり、
(栂池が来るまで…引き留めてないといけない………)
もちろん栂池が必ず助けに来るなんて確証があるわけじゃない。
そもそも今日あったばかりの人間をこんなに信用してる俺は変なのかもしれない。
でも、この一月の間に俺を変にしたのは目の前の吸血鬼だ。
それを終わりにしてくれるのが栂池だと言うんだったら俺はひたすら信用して協力する。
俺は覚悟を決めた。
「……かまいません、けど…」
「そう?助かるな、ふふ」
刺すように心臓が跳ねている。
布団の端を痛いほど握りしめて、俺は闇の中の赤を見つめた。
赤もまっすぐに俺を見ている。
「どうした?」
「…いえ」
「……少し喋ろうか。
いいかな?
まぁ寝ててもらっても全然構わないんだが」
「…大丈夫です」
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