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何笑ってんだろう。
「随分なのはそっちなんじゃないですか?今だいぶ辛そうですよ。
ねぇ、血が欲しいんじゃないですか?」
俺じゃないみたいな物言い。
いや、さっきからそうだ。
無くなった緊張感、恐怖の穴を急速に埋めたのは興味と加虐心と知らない何か。
好奇心は猫をも殺すけど、猫は好奇心から逃れられない。
「…やめてくれよ」
「血が吸いたいんでしょう?
許されるのを待ってるようにしか見えませんけど」
「やめてくれ!!!」
ガチャン
机を叩いた手に触れて、カップが床に落ちて割れた。
その音で不意に我にかえる。
(一体俺ってば何言って…)
「あ……すみません、俺……すごい失礼なこと」
「いや、取り乱してすまん。
カップが…」
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