案ずるより生むが易し

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「……… ………ゆず」 俺の声に負けず劣らず、コウモリさんも消え入りそうな声で呼ぶ。 「…はい」 「……勿体無いのか」 これまた間の抜けた問いだ。 でも、これは通過地点というか、今の俺達には重要な確認作業で。 「…勿体無いで……」 す、と言い終わるくらいには肩を優しく押されて背中が床に着いていた。 彼の表情は…苦笑している。 むしろ困った感じにも見えた。 「…勿体無いなら、もらうよ」 「………っ」 足首をひんやりした指が撫でた。 ふくらはぎからくるぶしを通ってかかとを掴んだら、膝を胸に付くくらい曲げられた。 「…いただきます」 傷口の端から端に舌が這った。 「う、……ん…」 くすぐったい、ゾクゾクする。 それ以上に絵面が悪い。 (足舐めとか…えっろ…) 「…痛くないか?」 「へっ!?……あ、大丈夫です…」 変な見方をしていたせいで何気ない言葉までエロく聞こえてきてしまった。 (雰囲気が悪い…雰囲気が悪いんだ…) 夜に部屋で電気も点けずイケメンが足舐め… (イヤイヤ俺は別に男に興味ある訳ではないし)
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