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「嫌です…、やだ……ゃ、…っ」
耳下から顎先、首、鎖骨。
熱に浮かされたような拒絶は届かない。
指先は手のひらに変わって忙しく上下する胸を緩やかに撫でた。
滑る冷感、シャツが擦れる、露になる左肩。
「傷、見えるな……」
一月前の噛み傷か。
カサブタが剥がれても肌の色に少し浮く白い痕が残っちゃったんだっけ。
はぁ、ため息が聞こえる。
近い。
熱い、
「………ふぁあ!……んぅ、っあ」
柔らかい湿り、
舌。
歯の食い込んだ痕は塞がっているにも関わらず、彼の唇に触れられることを悦んでいるかのように。
(どうなってんだ…)
「あ、…う!…はぁっ」
「…………」
(ただ舐められてるだけで)
「…くぅ…っ、あ、あ…」
「…………」
(血なんか出てないのに)
「あ…うぁ…っ!ん、んぅっ!!」
「…………」
(肌が粟立ってとまんない)
「あ!あぁ、やっ!やぁあっ!!」
「…………」
(だめだ、だめ、だめ、だめ、ヤバいって)
「やだ、やだ!ゃ、やぁああ…っ!!」
(トぶ、!)
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