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コッコッコ
少女が靴置き場で靴を叩いて、歩いて来たときに入った中の砂を出しロッカーを開け上履きを取ろうとした。しかし入っていなかったのである。
『まただわ…』
これは初めての出来事ではなく毎日のように隠されている。
するとカバンの中から予備の上履きを取り出して履いて彼女のクラスの2年B組へ向かった。
ガラ…ガラガラ…
後ろの入り口を半分以下開けて教室へ入って自分の席に座ろうとしたが見当たらなく黒板には
変態
氏ね
臭い
などヒドい事が書かれていた。
『わ、わたしの席は…』
みんなは知らん顔していつも通り友達としゃべったり、はしゃいだりしてまるで最初から“景つららがこのクラスにいなかった”ようだった。
男子が『おーい担任が来たぞ!』と慌てて教室に入ってきてみんなにそう告げた。すると、テキパキと黒板の落書きが消され雑ではあるが、さっきそこに何が書いてあるか分からなくなった。
ガラガラガラ…
『起立!礼!おはようございます。』
先生が入ってきた瞬間号令がかかり皆さっきとは別人みたいに態度が変わった。
先生が『あれ?なんだか席が足らないような。景つららの席はどうした?』と聞いてもみんな『知りません』といって白をきった。
毎度の事なので先生は机が隠されている場所は把握しており男子トイレだとわかったためすぐに机を運んで指定の位置へ戻された。
担任の先生はイジメはよくないというが、生徒に注意をせず彼女がイジメられてても見ぬフリをしているため日々イジメはエスカレートしていくのだった。
休み時間は一人勉強をやっていたり(クラスには誰もいない)イジメられたり。
昼休みは一人で校庭の隅っこで弁当食べたりイジメられたりして、つららの1日はこうして終わるのだった。
下校時間になりつららが帰ろうと準備をしていたとき席の後ろから『つららさ~ん』と声がしたので後ろを振り向くと急に殺虫スプレーを顔にかけてきた。
『きゃ!!』
殺虫剤を持っていた女子とその連れの2人が『あら~。ゴキブリかと思ってついついかけちゃった。』と言い殺虫剤をつららに投げつけその場を去って行った。
スプレーが目に入ったつららは急いで水道で目を涙と一緒に洗い流した。
学校を出てトボトボ歩くつらら。学校が終わるといつも川へ向かう。
実は橋の下で捨てイヌの面倒を見ていおり1日1日のグチを子犬にこぼすのだった。
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