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太陽は誰の机だろうと思って名前を確認したが名前のシールがはがされていて誰のかわからなかった。そしたら隣にいた男子が『聞いてくれよ!その机、景つららのなんだぜ。マジ、ウケるだろ~。』
と太陽の肩を一回ポンと叩いた。
『ひかり‥つらら?』と太陽は聞き返し、男子は微笑しながら『お前がさっき話していたヤツさ。』と言った。
太陽は『彼女はだからさっき机がないといってたんだ。まさか男子トイレでこんなに無惨な形で置いてあるとは…。』と思った。
男子がトイレでタバコに火をつけ吸い始めて言った。
『オメーも景つららをイジメねーと、こうなるからな。』
男子はさっきのにこやかな表情を変えて誰が見ても悪そうな顔にした。
そして、手に持ってるタバコをおでこに押しつけようとした。
とたんに太陽は頭の中の何かが切れて男子の胸ぐらを掴み殴りかかった。
バキ!バキ!バキ!
『イジメは許さねー!イジメは許さねー!!』
太陽は胸ぐらを掴んだまま男子を汚いタイルに押し倒し我を忘れて殴り続けた。
『おい!転校生が殴りかかってるぞ!』
と周りの男子生徒が騒ぎに駆け付け太陽を止めに入った。
ひとりの生徒が太陽を背中から羽交い締めにして押さえつけた瞬間、太陽は我に戻って自分が何をしたか把握した。
『まただ…。オレはまた訳もわからず殴っていた。』
…
そのあと、殴られた男子は気を失っていたため保健室に連れて行かれて太陽は職員室に呼び出された。
太陽は何があったのか何が原因でそうなったのかを、そして景つららがイジメられてる事をすべて校長先生に話した。
校長先生は、事情をわかって『景つららの机は新しいのに取り替えそして、もうイジメが起きぬよう全生徒に注意する。そしてさらに、旭太陽の家に今日の出来事をお母さんに話す。…今度何かあったら謹慎処分だからな。』と告げられた。
そして無事教室に戻ると1時間目の真っ最中だった。先生に遅れた理由を言って机に座った。
隣にはあの子の机があり真新しかった。
太陽がぼそぼそと、つららに『机が新しくなって良かったな。』と言った。
つららは、ノートの一番端っこの角をビリッと破り『誰が先生に言ってくれたかわかりませんが助かりました。』と細かく書いて見せた。
太陽は自分でオレだよと言うのは変なのでさっきの紙の裏に『イジメは良くねぇから』と書いたが、つららは鈍感なので太陽がやったとは気づかなかった。
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