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その後はつららの席の隣に太陽がいてくれたのでイジメられずにすんだが、モテモテな太陽の席の周りは女子に囲まれていたためつららは、周りの女子が怖かった。
『うわっ!近くに女子がいっぱいだよぅ。怖いな…。』とつららは思った。
4時間目の授業が終わり昼休みになると相変わらず太陽の席の周りには女子がいて複数の席を合わせてみんなで弁当を食べていた。
つららは“みんなで~をする。”という空気は好まず、どちらかというと、ひとりが好きなためいつも通り校庭の片隅で食べる事にした。
つららは弁当を食べ終え教室に戻ろうとして下駄箱のロッカーを空けると一通の手紙が入っていた。
『て、手紙?こ、このシールは………ハートシールが貼ってある。』
つららは赤いハートのシールが貼ってあったためラブレターかと思った。
『いや、ないないない!絶対ありえないよ!誰なの一体誰なの?』in 心の中で。
つららは恐る恐るラブレターを開封し三つ折りの手紙を開け黙読した。
『えーっと“初めまして、オレずっとあなたのことが好きでした。もし、よかったら今日の放課後に2年B組にひとりで残っててください。”』
つららは、顔全体が真っ赤になり耳から勢いよく白い湯気が出た。ぷしゅーって。
そして沈黙すること5分『おーい。5時間目遅れるぞ。』と廊下を通りかかった太陽が一言かけて沈黙時間終了とともに昼休みの時間が終了した。
キーンコーンカーンコーン…
つららはラブレターをスカートのポッケにねじ込んで真っ赤な顔を両手で隠して走って移動授業の教室へと向かった。
キーンコーンカーンコーン…
とうとうやって来た下校時間。なぜだかみんな教室掃除が終わるとすぐ帰っていったので、つららひとりだけになった。
つららは辺りをキョロキョロ見始めた。手にはあのラブレターを握りしめ胸に当てていた。
『いったい誰かなぁ。き、来たら恥ずかしいよぅ。』in 心の中。
つららが目を閉じて恥ずかしがっていると、バシャーンの音とともに体がずぶ濡れになった。
つららは顔を上げて見るとカラのバケツを持ったいつもイジメてくる3人組みのリーダーが立っていた。
『どうだった?久しぶりのお風呂は?』
つららは、だまされたと思った。
『確か、言ったわよね。今日覚えておきなさいって。あんたがあまりにも太陽くんにちょっかい出してるみたいだから、清水をかけてあげたのよ。』
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