第七章

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10月のある日。 マコトはケンイチを朝からずっと睨み付けていた。 ケンイチはそれにすぐ気付いた。 その日のうちにクラスメイトの湯川ヨシノリがケンイチにマコトからの伝言を。 それはマコトからのケンイチに対する悪口だった。 ケンイチも負けじと反論。 ヨシノリを挟み悪口の言い合いをした。 ケンイチは奮起した。 まだ番号とアドレスが残ったままだったのでマコトにメールした。 「放課後東公園に来やがれ。一対一のタイマン対決だ。」 と。 マコトは拒否した。 しかしケンイチは問答無用。 最終的にマコトはケンイチの前に現れた。 何人かの仲間を連れて。 その中にはセイタとルミも居た。 「来やがったか、テメーの事は前からブン殴ってやりたかったんだよ。俺は自分からは殴らない、さあかかって来いオ゛ラ゛ァ゛!」 するとケンイチはたちまちマコトの仲間5人に囲まれた。 そして手足身体を押さえられ身動きが取れなくなった。 「何のマネだ!?」 マコトは侮蔑の目で言った。 「お前と一対一で喧嘩なんかしたってお前が俺に勝てる訳無いから。お前を痛め付けたって可哀想だから。」 「卑怯者!」 ケンイチは怒り狂い5人の制止を振り切ろうとするがどうやっても動けない。 「サユリ、こんなバカは放っておいて帰ろう。」 「待ちやがれ!。貴様は男の勝負から逃げるのか!?。」 しかしマコト達は行ってしまった。 マコトの姿が見えなくなって5人はケンイチを解放した。 そして1人が言った。 「お前は殴る価値も無いカスだな。」 もう1人は、 「そういう妬みに遭うマコトの身にもなってみろよ…。」 ケンイチは解放された途端に足の力が抜け地面に座り崩れていた。 5人が去りケンイチは公園の真ん中に1人残された… 少年の地獄のような日々の始まりだった…
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