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「俺の名は青山ケンイチ。俺には好きな人が居る。彼女の名は、篠崎サユリだ。」
少年はクラスの女子に片想いをしていた。
ケンイチは高校1年生。
時は5月。
新しい高校生活にも生徒達はだいぶ慣れていた。
ケンイチも同じだ。
ケンイチは小中とクラスでイジメに遭っていた。
そんな彼はこの高校生活に大きな希望を持っていた。
彼の希望は叶い、今は9年間の事を全て忘れる程楽しい日々を過ごしていた。
イジメを受けていた彼は恋愛だってうまくはいかなかった。
彼女いない歴=年齢
である。
彼は新しいクラスの女子とも仲良くなれた。
何人か居る女子の中で彼はサユリに惚れた。
そしてついにサユリに想いを伝える事にした。
「篠崎さん、僕は篠崎さんの事が好きです!。
僕と付き合ってください!。」
しかしケンイチは砕け散るのだ。
「青山君、ゴメン。
私好きな人居るんだ…。」
「そう…。
誰が好きなの?、無理に教えてとは言わないけど…。」
一般的には他人に自分の恋人の名前など言わないが、彼女はあっさり答えた。
「手島君が好きなんだ私。」
「そうなんだ…。」
手島マコト。ケンイチとは同じクラスの生徒である。
翌日の放課後。学校帰りに彼はマコトとサユリを見た。
「手島っ!、篠崎さん!。」
2人は少し驚いた様子でケンイチを見た。
「…一緒に帰っても…良い?。」
ケンイチが空気を読まず尋ねた。
「良いけど?」
答えたのはサユリだった。
学校が午前中だけの日だったので、マック、ゲーセン、カラオケと3人で回った。
遊んでいるうちにケンイチは気付いた。
2人は既に両想いだった。
しかしこれには重大な問題があった。
手島マコトには赤坂メイという彼女が既に居た。
学校では相変わらずメイと一緒に居るマコト。
ケンイチは直感した。
「浮気か?二股か?」と。
少年は一途な想いを持ち、浮気や二股なんて絶対に許さない性だった…。
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