第一章

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「俺の名は青山ケンイチ。俺には好きな人が居る。彼女の名は、篠崎サユリだ。」 少年はクラスの女子に片想いをしていた。 ケンイチは高校1年生。 時は5月。 新しい高校生活にも生徒達はだいぶ慣れていた。 ケンイチも同じだ。 ケンイチは小中とクラスでイジメに遭っていた。 そんな彼はこの高校生活に大きな希望を持っていた。 彼の希望は叶い、今は9年間の事を全て忘れる程楽しい日々を過ごしていた。 イジメを受けていた彼は恋愛だってうまくはいかなかった。 彼女いない歴=年齢 である。 彼は新しいクラスの女子とも仲良くなれた。 何人か居る女子の中で彼はサユリに惚れた。 そしてついにサユリに想いを伝える事にした。 「篠崎さん、僕は篠崎さんの事が好きです!。 僕と付き合ってください!。」 しかしケンイチは砕け散るのだ。 「青山君、ゴメン。 私好きな人居るんだ…。」 「そう…。 誰が好きなの?、無理に教えてとは言わないけど…。」 一般的には他人に自分の恋人の名前など言わないが、彼女はあっさり答えた。 「手島君が好きなんだ私。」 「そうなんだ…。」 手島マコト。ケンイチとは同じクラスの生徒である。 翌日の放課後。学校帰りに彼はマコトとサユリを見た。 「手島っ!、篠崎さん!。」 2人は少し驚いた様子でケンイチを見た。 「…一緒に帰っても…良い?。」 ケンイチが空気を読まず尋ねた。 「良いけど?」 答えたのはサユリだった。 学校が午前中だけの日だったので、マック、ゲーセン、カラオケと3人で回った。 遊んでいるうちにケンイチは気付いた。 2人は既に両想いだった。 しかしこれには重大な問題があった。 手島マコトには赤坂メイという彼女が既に居た。 学校では相変わらずメイと一緒に居るマコト。 ケンイチは直感した。 「浮気か?二股か?」と。 少年は一途な想いを持ち、浮気や二股なんて絶対に許さない性だった…。
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