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只今の時間は 20:30
伊織「ただいま。」
疲れ気味の声が玄関で聞こえてきた為 重くなった身体でゆっくりと声の主の元に向かった。
忍『お帰りなさい。お疲れ様でした。』
玄関に行くと コートを脱ごうとしている元上司がいた。
伊織「身体は大丈夫なのか?」
脱いだコートを私に手渡すと 覗き込むように私を見る専務さん。
忍『はい。何も変わりはありませんよ。』
私を見つめるその顔は いつもより疲れた様子がうかがえる。
伊織「…そうか…」
チュッ。
溜め息が聞こえたかと思うと 頬に冷たい感触がした。
忍『…んなっ?!何を…』
伊織「頬にキスぐらいで慌てるな。赤ん坊が産まれてしまうぞ。」
顔に熱が上がってくるのを感じながら 彼の方を見上げると 右側の眉を上げ ニヤリと笑う伊織さんの顔があった。
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