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忍『もし…もしですよ?私が…』
伊織「来ないつもりなら この話は断る。」
私が彼の表情をうかがいながら話しだすと 伊織さんは私の言葉を遮り 更に私を見つめ 頬にあった彼の手が離れた。
忍『待って下さい!あの…そうじゃなくて…』
伊織「何だ?何が言いたい?」
思わず彼の腕に手を置き 顔を近づけると伊織さんは少し口角を上げ 優しく促してくれた。
忍『あの…イタリア語はこれから習っていっても 遅くないですか?』
伊織「話せないことぐらい知っている。俺が教えてやるから。」
彼の大きな手が 私の頭の上に乗る。
忍『知り合いを作る時は通訳してください。』
彼が安心してくれたのを感じて 思わず頬が緩む。
伊織「それは努力しろ。」
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