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2時間後。
伊織『……ハァ…』
病院のロビーで 親父と向かい合わせにソファーに腰掛ける。
伊織父「お前が緊張してどうする。忍さんなら無事に産んでくれるよ。」
缶コーヒーを俺に手渡しながら 小さく呟いた。
伊織『分かってる。』
親父の言うことは 十分わかっているつもりだ。
しかし
忍があんなに苦しんでいる姿を見ていると とてもジッとしていられない。
焦りや不安が 俺の体を駆け巡る。
唯一 救われるのは
陣痛の合間に見せる 忍の笑顔だ。
あの顔を見ると 俺の不安が少しだけだが 減ってゆく。
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