賑やか過ぎる誕生日

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伊織『…忍 大丈夫か?』 忍の耳元に そっと声を掛けると 彼女はゆっくりと顔を上げた。 忍「…ハァ…伊織…さん…」 俺の名前を呼び 力無く微笑む忍を見て 彼女の頬を撫でた。 こんな時でも 俺に笑い掛ける… なんて いじらしいのだろう… 伊織『何か欲しい物はあるか?して欲しい事はあるか?』 そう言って 忍の頬にキスをした。 いつものように怒ってこないところをみると 大分疲れているんだなぁ… 忍「私…あの……ぅぅ…」 返事をしようとした忍の口元が キツく結びついた。同時に 彼女は俺の手を握ってきた。 伊織『忍?!』 俺の声が聞こえているのか分からない程 忍は頭を横に振り続けた。 どうしたらいいのか分からずに 彼女の手を必死に握り締める。 忍はこのまま痛みの中で死んでしまうのでは… そんな気分にまでなった時 握られている手の力が緩んだ。 忍「…ハァ…ハァ…」 伊織『本当に大丈夫なのか?』 思わず聞いてみると 忍は微笑んで答えた。 忍「伊織さんに…赤ちゃんを抱いて欲しいんです…だから…大丈夫です。私は頑張れます。」 .
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