19892人が本棚に入れています
本棚に追加
皆がそれぞれに去った後 忍は俺に抱きついてきた。
小さく肩を震わせながら 俺の胸で泣き出した。
忍「…っ…ふぇ…グスッ…」
そんな彼女を抱き締め そっと髪を撫でた。
こんな忍が大好きだ。
出会った頃から 自分の弱いところを人前では見せないところといい 店の中でも本当は寂しかったのに表情にも出さずに 明るく振る舞ったところといい…
何より
俺の前でしか 弱いところを見せないところが たまらない。
正直 ここが家の中だったら
高確率で襲っている。
そんな不謹慎なことを考えていると 忍がゆっくりと顔を上げた。
もう…鼻を真っ赤にして 瞳を潤ませて
忍「…ありがとうございます。伊織さん。」
にっこりと微笑むものだから…
強引に彼女の唇を味わった。
.
最初のコメントを投稿しよう!