第1章

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家の中へ入ると… 何故か不思議と心が落ち着いた。 けして裕福ではなかったけど、慣れとは恐ろしいものだ。 家で食べる御飯は ご馳走ではなかったけど、とても美味しいと思えた。 そして不思議な事にいつも【意地悪】なお婆ちゃんが この日は優しかった気がした。 と言うのも小さい頃… 僕はお婆ちゃんによく虐められた記憶があるからだ。 だからその当時、 僕は婆ちゃんの事を… 『くそババア!』と呼んでいた。 とにかくこのババアは… 内孫より外孫を明らかに差別して可愛いがっていた。 特に二つ上の《孝雄》とはよく比較され… 僕の物を取り上げた孝雄でなく泣かされた僕を… 『いつまでも泣くな!』 …と怒る始末だった。 この状況は… 僕が小学校五年生になるまで続く事になる。
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