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家の中へ入ると…
何故か不思議と心が落ち着いた。
けして裕福ではなかったけど、慣れとは恐ろしいものだ。
家で食べる御飯は
ご馳走ではなかったけど、とても美味しいと思えた。
そして不思議な事にいつも【意地悪】なお婆ちゃんが
この日は優しかった気がした。
と言うのも小さい頃…
僕はお婆ちゃんによく虐められた記憶があるからだ。
だからその当時、
僕は婆ちゃんの事を…
『くそババア!』と呼んでいた。
とにかくこのババアは…
内孫より外孫を明らかに差別して可愛いがっていた。
特に二つ上の《孝雄》とはよく比較され…
僕の物を取り上げた孝雄でなく泣かされた僕を…
『いつまでも泣くな!』
…と怒る始末だった。
この状況は…
僕が小学校五年生になるまで続く事になる。
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