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…コツ… …コツ… コツ…
「……ぃ…ッた……!」
もう何時間歩いたのだろう。
鈴葉の足は皮膚が擦りむけ、血が滲んでいた。
踵には大きな水膨れ。
「…ハァッ…でも、もう少し…もう少しで駅に…………ッひぁ!!???」
──ズザーッ…!!!
足がもつれ、鈴葉は道の真ん中で大袈裟に転んでしまった。
「ぃたた……あぁ……もぅ……!」
──痛いのとビックリしたのと…疲れていたのもあり、恥じらいもなく道に座り込んだ。
「(……なにやってんだろ……私………)」
大きな溜め息を吐き、うなだれていると、道行く人々が不振な目で鈴葉を見ていた。
「(────はっ!!!
そういえばココ…!!!)」
ばっ!!と顔を上げた鈴葉の目の前には、
《犀蘭学園》
と書かれた大きな校門。
さらに大豪邸のような校舎。
──そう…今までまったく気がつかなかったが、有名なセレブ学校の目の前に鈴葉は…いた。
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