猛獣スチューデント4

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「おはようございます」 早番の翌朝…ドアを開けたらそこには、俺の寝不足の原因となった人物がニコやかに、当たり前のように立っていた。 「…何をしてるんだ?」 「何って…挨拶ですが?」 「そんなことを聞いてるんじゃない!!何でそこに立ってんだってことだ!!」 怒声を飛ばす俺に、尚神楽は微笑んだ。 …どうしよう…やっぱり顔がイイ奴は違うな。 って、何を考えてんだ俺は!! 「俺、今日から先生に付きまとうことにしたんです」 「はい…?」 「覚悟してくださいって言いましたよね?」 いやいや…何を言い始めたんだ、こいつは…。 若干眩暈を感じる。 「…俺は自転車で行くんだぞ?」 「知ってますよ。だから俺もチャリ乗ってきました」 「…えぇっ??」 ドアを締めて、慌てて階段を降りると、俺のアパートの前には、見知らぬ一台の立派な自転車。 マジで…自転車持ってきやがったのか!? 口が開いたまま塞がらない…という状態になり立ち尽くす。 「ねっ?」 俺の顔を覗き込む神楽。 やられた…。俺は頭を抱える。 「先生がいつも通る通勤路、俺も一緒に行っていいですよね?俺の知らない先生のこと、いっぱい知りたいんです」 だから…そんな顔で笑いかけるなッ!! 大人びてるくせに、たまにこうやって見せる子供っぽい神楽の一面。こんなところに、俺の怒りは鎮められてしまう。 本当にどうしちまったんだよ俺は…。 「はぁ…結構飛ばすぞ?」 「お構いなく」 ん?そういえば…。 「お前、いつから待ってたわけ?」 「さぁ…六時くらいですかね」 「六時!?なんで!?」 「なんでって…何時に出るか分からないから」 「だってお前の家って駅二つ向こうだよな?それって…」 だいぶ早起きだったんじゃ…? 「朝一緒に行きたかったので。俺が勝手にやったことですから、先生は気にしないでください」 「ばッ、バカ!!そんなこと誰も言ってないだろ!!」 そう吐いて俺は奥の駐輪場へと向かう。 そこまでするなんて…どうかしてる…ッ!! そう思ってるのに、俺の心臓はうるさく跳ね上がっていた。
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