猛獣スチューデント4

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それも何だか可愛く見えて、俺は肩を揺らしながら笑った。 「いじけんなって。いいんじゃね?お前、子供らしさがあんまりないんだし」 笑いながら自転車を押しつつ歩く俺を、神楽はジーッと見つめてくる。 「なんだ?」 神楽は嬉しそうに微笑む。 「やっと笑ってくれましたね」 「へ?」 「今まで話したことなくて、昨日ようやくまともに話したのに、怒鳴ってばっかりだったでしょ」 「それはお前に原因があるだろーに…」 「でも今は、いつも誰かと話してる時みたいに笑ってくれてる。その笑顔、今は俺だけに向けられてるものだから」 甘く疼く心臓、急激に上昇する体温。 いつの間にか着いた駐輪場に自転車を停めながら、それを悟られないように毒吐く。 「ち、調子乗るなよッ!?お前が俺を怒らせなきゃいいんだから!!」 「それ思いましたけど、本当に怒ってる時ってあんまりないですよね?昨日のラブホ前くらいですか。それ以外は照れ隠しに見えますが」 「なッ…!!」 反論しようとした時、後ろから声がした。 「谷崎先生…?」 振り返ると、そこには目を丸くした山科先生が立っていた。 「や、山科先生…!?」 「今…神楽が…ラブホって……?」 ヤバい!!どこから聞いてたんだ!? 「あの、それは…っ」 何か言おうと焦っていると、あろうことか神楽が俺の首に腕を回した。 「神楽!?何を…!?」 「だから、何?」 俺の言葉を無視し、神楽が挑発的に山科先生を睨み付ける。 山科先生は神楽の睨みに怯む事なく、目を鋭くした。 山科先生がこんな表情するなんて…いつも穏やかに微笑んでいるところしか見た事がない。 「神楽お前、谷崎先生に変なちょっかい出してるのか?」 「関係ねぇだろ」 「そんなわけあるか。昨日だって迷惑かけておいて…」 「昨日のことは感謝してる。お前にしてはイイ仕事したよ。お陰で、ヒナ先生とこんな仲になったからな」 「どんな仲だッ!!山科先生は担任だろ、『お前』なんて言うんじゃない!!」 神楽の腕の中でもがいてみるが、頭一つ分以上違う神楽を見上げて叫んでも単なる虚勢だ。 「いいんですよ、谷崎先生」 「でも…」 神楽が明らかに不機嫌な空気を纏う。 本当に嫌いなんだな…。 「ヒナ先生相手にイイ格好してんなよ」 「そんなつもりない。早く先生を離せ。誰かに見られたら先生が困るだろ」 そうだ!!その通りです!!
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