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その日。
本当に神楽は有言実行で…ありとあらゆる場所に出現した。
昼休みだけならいざ知らず、授業合間の休み時間すらも、職員室やら俺が授業してた教室の前やら…。
こんな具合だと、放課後になるまでには校内に話が広まっていた。
そうじゃなくても神楽は変に知名度があるから余計だ。
「せんせーぇ、神楽とデキてるってマジでぇ?」
六限めの授業では、生徒にこんなことを初っ端から聞かれるハメになっていたりする。
げんなりしながら俺が答える。
「勝手に話を作るなっ」
「でも今日神楽が先生にベッタリなんだろ~?」
「今までも付き合ってて、いきなりオープンになったって聞いたけど~」
「んなわけあるか!!それ以上バカなこと言ってっと、今度の中間かなり難しくしてやるからなっ!!」
生徒からの大ブーイングを受けながらも、これくらいのことで話が終わってくれるなら大した事はない。
職員室の空気も微妙になってきてるのに、授業中にまで…!!
授業も終わり、職員室で今日一日の内容を反復し、ノートに書き込む。
授業でやったプリントの採点をやっていると、半分以上の先生が帰ってしまう。窓から見える空も暮れて来た。
放課後も来るかと思ったけど…神楽来ないんだな。
ホッとしている反面、ちょっと残念なんて思ったり…。
んっ?……いやいや!!『残念』ってなんだよ!?
「よかったですね、神楽来ないみたいで」
「はは…そうですね。あ、山科先生上がりですか?」
「はい。谷崎先生は今日も遅くまで?」
「まだ仕事片付けるの遅くて。効率よく出来ないんですよね」
「そういうのは経験ですから焦らずとも。では、お先に失礼します」
「はい、お疲れ様です」
山科先生が出て数分後、一人の先生が俺に駆け寄ってきた。
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