猛獣スチューデント4

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その日。 本当に神楽は有言実行で…ありとあらゆる場所に出現した。 昼休みだけならいざ知らず、授業合間の休み時間すらも、職員室やら俺が授業してた教室の前やら…。 こんな具合だと、放課後になるまでには校内に話が広まっていた。 そうじゃなくても神楽は変に知名度があるから余計だ。 「せんせーぇ、神楽とデキてるってマジでぇ?」 六限めの授業では、生徒にこんなことを初っ端から聞かれるハメになっていたりする。 げんなりしながら俺が答える。 「勝手に話を作るなっ」 「でも今日神楽が先生にベッタリなんだろ~?」 「今までも付き合ってて、いきなりオープンになったって聞いたけど~」 「んなわけあるか!!それ以上バカなこと言ってっと、今度の中間かなり難しくしてやるからなっ!!」 生徒からの大ブーイングを受けながらも、これくらいのことで話が終わってくれるなら大した事はない。 職員室の空気も微妙になってきてるのに、授業中にまで…!! 授業も終わり、職員室で今日一日の内容を反復し、ノートに書き込む。 授業でやったプリントの採点をやっていると、半分以上の先生が帰ってしまう。窓から見える空も暮れて来た。 放課後も来るかと思ったけど…神楽来ないんだな。 ホッとしている反面、ちょっと残念なんて思ったり…。 んっ?……いやいや!!『残念』ってなんだよ!? 「よかったですね、神楽来ないみたいで」 「はは…そうですね。あ、山科先生上がりですか?」 「はい。谷崎先生は今日も遅くまで?」 「まだ仕事片付けるの遅くて。効率よく出来ないんですよね」 「そういうのは経験ですから焦らずとも。では、お先に失礼します」 「はい、お疲れ様です」 山科先生が出て数分後、一人の先生が俺に駆け寄ってきた。
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