猛獣スチューデント2

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「からかってませんよ?」 「どう考えてもからかってるだろーが!!は、早く授業に戻れ!!」 それだけ言って早く立ち去ろうとすると、神楽が呼び止めた。 「ヒナ先生。三限め、楽しみにしてますね」 ニヤニヤしている神楽の言葉に、俺はキッと神楽を睨んで、何も言わずに屋上を後にした。 噂云々は置いといても、あいつは危険だ!!要注意人物だ!! 男子校だからって許されるノリだと思ったら大間違いなんだからなっ!! まだ火照る自分の顔が恨めしい。不覚にも男…しかも高校生にトキめいたりするなんて!! ふと、俺はハッとして立ち止まる。 しまった…!!神楽を見つけたら連れて行くって山科先生に言ってたんだった!! 屋上に戻ろうか躊躇っていると、一限めの終了を告げるチャイムが鳴り響く。 どうしよう!!って、考えてても仕方ないか!! 見つけることは出来たけど、連れて行くことが出来なかった事を謝ろう。俺は三組の教室へと駆け足で向かう。 幸いにも三組の教室は、この上の階にある。階段を上がれば直ぐだ。 授業が終わり、生徒達が教室から出てきて、静かだった校内はあっという間にザワついてくる。 三組も授業が終わったらしく、俺が教室前に着いた頃にはドアが開け放たれていた。 山科先生が教室から出てくる。すぐに俺の存在に気付き、目が合った。 「あっ…すみません先生…神楽なんですが」 『連れて来れませんでした』と続けようとしたら、山科先生が安堵の表情を見せた。 「ありがとうございます、谷崎先生。お手数かけました」 「はっ??」 俺は謝罪に来たのに、何でお礼なんて言われるんだ? 「見つけられちゃって残念です。寝不足だったのに」 そう頭上から声がして、俺は信じられない気持ちで振り向いた。 か、神楽…っ!!? 俺の背後には、あくびをしながら頭を掻いている神楽がいたのだ。 何で!?いつの間に!!? 俺が唖然として神楽を見上げると、神楽がどこか勝ち誇ったような笑みで俺を見下ろす。 その表情でさっきのことを思い出し、カァッと顔が熱くなる。 「谷崎先生?…神楽に何かされましたか?」 怪訝そうな顔で山科先生に見られ、俺は慌てて首を左右に振った。 「い、いえっ!!何も!!じゃあ俺、職員室戻りますね!!」 しっかり引きつった笑顔で、一目散にその場を去った。 忘れろ!!忘れるんだ俺!! たかが一生徒のイタズラなんかで心を乱されてどうする!!
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